「日本マンドリン独奏コンクール」参戦記

「日本マンドリン独奏コンクール」参戦記

      霜野莉沙(2021年卒)

WMG104期、2021年3月卒部・国際教養学部9月卒業の霜野莉沙です。
2021年11月に開催された第27回日本マンドリン独奏コンクールに出場し、結果、入賞はできなかったものの本選で6位でした。
このコンクールに出て1位を獲ることは中学生の時からの夢だったので、ようやく今回出場できたことで夢が半分叶いました。

私は大阪府堺市で生まれ、大阪府の「帝塚山学院中学校・高等学校ギターマンドリン部」にてマンドリンを始めました。かつて帝塚山学院大学のギターマンドリン部でギターを弾き、練習用にマンドリンも持っていた祖母の影響です。高校2,3年生では指揮者を務めました。引退した後は、心にポッカリと穴が開いたようでした。しかし、そのタイミングでマンドリンや部活動の他にやりたいこともたくさんあったので、高校卒業・部活引退後、一度マンドリンを置いて他のことをしてみようと思いました。

まず内部進学で関西学院大学法学部に一度進学したものの、1年で退学して上京し、ずっと行きたかった早稲田大学の国際教養学部に入学しました。早稲田1年生の時には「OVAL」という日中韓で国際ビジネスコンテストを開催する学生団体の日本支部で副代表をしたり、第50回ミス日本コンテスト2018に出場し「2018準ミス日本」を受賞して2025大阪・関西万博誘致に関わったりするなど忙しい日々を送りました。2年生の夏からは1年間、北京大学の国際関係学院にダブルディグリー留学に行きました。その中では、他のコミュニティにマンドリンを知ってもらったり、中国民族オーケストラとマンドリンのコラボをしたりと、面白い活動もすることができました。

さまざまな経験を一気にやってしまい3年の夏に帰国して落ち着いた時に久しぶりに早稲田マンクラのサマーコンサートを聴くと、感動してマンドリンをきちんと再開しようと思いました。あまり活動できていなかった早稲田のマンクラで改めて活動してみると、関西と関東のマンドリン文化の違いなどはあるものの、独学で音楽理論や編曲をやったり、ソロ曲に励んだりしつつ、音楽を共に楽しむことを第一として和気藹々と活動しているメンバーに本当に大きな刺激を受けました。
音楽って素敵だなあ、音楽活動やコンクールを頑張ろう」とまた初心に返ることができたのは、マンクラのメンバーのおかげです。
とはいえ、いざ出場を決めたものの2021年は私にとって挑戦の年でした。私に大阪にいてほしい両親に反対して上京した時の約束で2021年以降は経済的な支援をしないとのことだったので、生活費を稼ぎながら卒業論文を仕上げ、大学院に進学し、マンドリンの独奏コンクールに出場しました。
想像以上に大変でしたが、加えて何よりも大変だったのは、コロナによる学校の練習場所の閉鎖です。公園やキャンパス内では騒音になり注意され、住んでいるひとり暮らしの部屋でも騒音になるとのことで楽器禁止です。さまざまな練習場所を借りて、合間を縫って限られた時間内で集中的に練習しました。秋、現在在籍している東京大学公共政策大学院に入学した後、慣れない勉強の中コンクール直前に詰めて練習していると体調を崩してしまいました。そのまま挑むのはすごく不安でしたが、初めてソロのコンクールに出ること、また大好きなナポリ狂詩曲を弾けることなどで、当日になってみるととても楽しく過ごすことができました。「コンクールというか…リサイタルだった」というコメントを頂いてしまったほど、あっという間の楽しい時間でした。
意外と自分はバロック音楽が向いているのかもしれないと気づいたことや、周りの参加者のレベルの高さにすごく次の成長へのワクワクをもらえたこと、そして曲のフィナーレでピックが滑り落ちたことなど、全て含めてとてもいい思い出です。フィードバックをいただき致命的な自分の欠点がわかり、同時に自信を持つことができたこともとてもよかったです。「自分が表現したい音楽あっても、それを表現できるだけの技術がない」、つまり練習不足です。自分の音楽の感覚を信じて磨くこと、その音楽を形にするために練習を頑張ること、これから力を入れていきます。

万全のコンディションではなかったものの、楽しんで出場し、本選に進むことができたのは、師匠の石村隆行先生に音楽をご指導していただき、大阪のフレット楽器ヤマサキさんに楽器面を、東京の絃楽器のイグチさんにレッスンや練習場所を、早稲田のマンクラのメンバーにマンドリンのモチベーションを、サポートしていただいたおかげです。学校や生活の中で精一杯応援してくれた身近な人にも、感謝が尽きません。

先日2022年3月、コロナの影響で2年延期になっていた母校の帝塚山学院中高ギターマンドリン部OG合同演奏会がようやく開催され、参加してきました。コンクールのこと含め近況を話して次回への励ましをいただいたり、現役生の青春や音楽の緻密さ繊細さ、いつまでも音楽を楽しんでいるOGの姿にさらに刺激をいただいたりしました。2月に延期を経てようやく開催できたアンサンブル三花謡の公演も無事成功に終わり、マンドリンを知らない人にも興味を持って楽しんでもらうためにもさらに技術を磨こうと決意したところです。

2024年の3月が大学院の卒業予定です。チャンスはあと2年あります。勉強や就職活動など相変わらず忙しくなりそうですが、奨学金も借りることができたので2022年からようやく落ち着いて自分との戦いに励むことができそうです。次は「コンクールらしい」自分の納得のいく演奏をして残り半分の夢を叶えられるよう、引き続き精進してまいります。

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